【キリのコメント24】
何の抵抗もせずに、葦原中国を譲ったコトシロヌシに対して、猛然とタケミカ
ヅチに反対したのが、タケミナカタ。
彼は、千人の人が引くほどの大岩を持って現れます。
父、オオクニヌシはスサノオの家で、500人の人が引くほどの大岩を動かした
ので、その2倍の腕力ですね。
ところで、この強くて勇ましいタケミナカタですが、実は、この神は謎の神で
す。
というのも、この古事記物語では、物語性のない神々の系譜は一切書いていま
せんが、古事記にはスサノオの系譜やオオクニヌシの系譜なども列記されてい
ます。
そこには、コトシロヌシのことはしっかり書かれていますが、このタケミナカ
タのことはどこにも記されていないのです。
さらに、日本書紀にもコトシロヌシのことは描かれていますが、タケミナカタ
の名前はどこにもありません。
突然、現れるタケミナカタ。
諏訪大社のご祭神でもあるタケミナカタ。
一説にはこの話は後から加えられたのではとも言われています。
さて、タケミナカタとタケミカヅチの戦い。
それは力比べです。
互いの手を握り合うものですが、腕相撲も握手をするだけでも相手の力量が分
かるといいます。
最も原始的な力を比べる方法としては最適なのかもしれませんね。
*あ、これも良い子はマネしないでくださいね。
握力の差がありすぎると、本当に手をケガしますよ〜
しかし、相手の手を握ろうとしたタケミナカタですが、タケミカヅチの手がツ
ララに変化します!
さらには、剣に!
(もちろん、古事記ではひゃぁ! とかイタタとは書いてありません)
ただ、おそれて退いたとあるだけです。
続いて、タケミカヅチがタケミナカタの手を握ります。
そして、握りつぶしてしまいます!
しかも、その後放り投げてしまうのです。
散々な目にあった、タケミナカタは信濃の国(長野県)の諏訪湖まで逃げてい
きます。
出雲(島根県)から信濃までですから遠いですね。
しかし、敢え無く追いつかれ、まさに殺されそうとしたときに、タケミナカタ
は命乞いをします。
その条件は、
1.この諏訪の地からどこにも行かない
2.父、オオクニヌシ、兄、コトシロヌシの言葉に従う
3.この葦原中国を天つ神の御子の言葉に従って奉る
というものです。
さて、物語ではタケミナカタを許すタケミカヅチですが、古事記にはそのよう
なことは書かれていません。
ところで、大活躍するタケミカヅチですが、この神は藤原氏の氏神でもありま
す。
さらに、このタケミカヅチは鹿島大社に祭られていますが、同時に藤原(中臣)
氏の氏社の春日大社にも祭られています。
諏訪の伝承が、中央の神話に取り上げられた際に、タケミナカタは劣敗者とさ
れ、中臣氏の氏神でもあるタケミカヅチが勝利者にされたのであろうと、推定
されているようです。
さて、こうして、息子二人が葦原中国をアマテラスに譲ることを承諾し、最早
言い逃れはできないオオクニヌシ。
彼が最後にとった行動とは?
次回、「オオクニヌシの国譲り」をお楽しみに〜