【キリのコメント28】
ニニギノミコトとコノハナサクヤ姫の恋物語。
二人が出会った場所は鹿児島県の薩摩半島西端の笠沙町、野間岬
岬に立っていたコノハナサクヤ姫にニニギノミコトが一目ぼれ。
すぐさまプロポーズするニニギノミコト。
ちなみにですが、このコノハナサクヤ姫には、別名があります(厳密にいうと、
古事記では、コノハナサクヤ姫が別名ですが)。
その名は、カムアタツヒメ(神阿多都比賣)。
この女神は、薩摩国阿多郡阿多郷(鹿児島県加世田市あたり)の阿多の隼人の
女神です。
つまり、高天の原から舞台は、九州南部に移り、朝廷と隼人の緊密な関係が語
られているようです。
話は戻って、ニニギノミコトのプロポーズに対して、サクヤ姫は父に聞いて欲
しいと答えます。
すぐさま父、オオヤマヅミに姫を嫁にもらいたい旨を伝えると、オオヤマヅミ
も快諾します。
そして、数々の祝いの品とともに、サクヤ姫とその姉、イハナガ姫を送ります。
物語では妹がきれいだから姉もきれいだろうと書きましたが、これは私の脚色
です。
原文では、「その姉はいと凶醜(みにく)きによりて、見畏みて返し送り」とあ
るのみです。
なので、ニニギノミコトとイハナガヒメの会話もありません。
その後に、父、オオヤマヅミの話が続きますが、妹を選んだゆえに、木の花の
ように、寿命が短くなったといっています。
イハナガヒメを選んでいれば永久の命が得られたものをと。
この説話の源流といわれているものに、セレベスのバナナ型説話があります。
それによると、最初の人間は創造神が天から下してくれるバナナを食べて命を
保っていた。
ある日神が石を下したので、人間が他の食べものを求めると、神はバナナを下
して、「お前たちはバナナを選んだから、人間の命はバナナのようにはかなくな
るだろう。石を選んでおけば、人間の命は石のように不変であったろう」と言
ったとあります。
この説話は、インドネシア系種族とされる隼人族が伝えていたもので、それが
サクヤヒメの物語に変化して古事記に取り入れられたのであろうといわれてい
ます。
ちなみにですが、日本書紀では、選ばれなかった、イハナガヒメが、「恥じ恨ん
で、つばを吐き呪って泣き」、人の寿命が短くなったという話も書かれています。
…こちらの方がリアルな話ですね(^^;
そういえば、イザナミ、イザナキが黄泉の国でケンカをした祭にも、イザナミ
が「人を一日千人くびり殺す!」と呪っていましたね。
神の恨みは恐ろしいですね。
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