【キリのコメント29】
ニニギノミコトとサクヤヒメは結婚し、古風に書くとまぐわいます。
今風に言うとSEXします。
しかし、なんと翌日にはサクヤヒメが妊娠したことをニニギノミコトに告げま
す。
当然、ニニギノミコトはビックリします。
さすがに神といえども一夜で妊娠するとは思えなかったのでしょう。
その子は、別の神の子だといいます。
それに対して、サクヤヒメは、この子がニニギノミコトの子供でなければ、無
事には生まれないといって、戸がない大きな産屋に入ります。
そして、その産屋に火をかけます。
物語では外から人を使って火をつけていますが、古事記では自ら火をかけてい
ます!
そして、炎の中で、三人の子供を生むのですが、これは心の潔白を証明する「誓
約(うけひ)」であるそうです。
熱湯の中にある小石をとらせる「盟神探湯(くがたち)」と同類の呪儀なのでし
ょうか。
それにしても自らの命をかけて身の潔白を証明したサクヤヒメ。
その情熱的な行動は驚きです。
ちなみに、日本書紀のある一書では、すでに4人の子を生んだアタカシツヒメ
(吾田鹿葦津姫)が4人の子供を抱いて天孫の前に現れて、天孫の子をこっそ
り養うべきではないといいます。それに対して天孫は「何とまぁ私の皇子たち、
こんなに生まれて本当にうれしい」とあざ笑ったとあります。
あざ笑われたアタカシツヒメは恨み、小屋を作り、4人の子供と入り、火をか
けます。
そして、4人の子供たちが燃え盛る小屋の中から飛び出てきます。
最後にアタカシツヒメも。
その様子を見た天孫は、「はじめから私の子供だというのは知っていた。ただ、
一夜で産んだというのを疑うものがいるだろうから、衆人にこれらが皆我が子
で、天孫は一夜で子をはらませることを知らせるためにあざ笑った」といいま
す。
古事記と日本書紀でよくあるのですが、登場人物の名前が違う場合があります
(でも、父はオオヤマヅミです)。
そして、内容が微妙に違います。
その微妙な違いを見比べるのもおもしろいですね。
ということで、これからも古事記と日本書紀の違いもご紹介していきたいです。
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