【キリのコメント31】
この海幸彦、山幸彦の話の原型は、南方のインドネシアやメラネシア方面から
伝えられたものだそうです。
海になくした釣り針を探して海の国にいくこの物語は、インドネシアのパラウ
島、セレベス島、ケイ島などに伝えられた説話との類似が松本信弘著、「日本神
話の研究」によると著しいそうです
また、この物語の源流と思われる説話も、メラネシアのニューブリテン島に伝
えられた女人島説話をはじめ、インドネシアや中国にも分布しているそうです。
これらの南方説話が隼人族によって九州南部に伝えられ、記紀に取り入れられ
たのかもしれませんね。
さて、海幸彦の釣針を海になくしてしまい、悲嘆にくれていた山幸彦にシホツ
チノカミが声をかけます。
彼によって海の神のいる宮殿への行き方を教わります。
無事、海の国にたどり着いた山幸彦は、言われたとおり、宮殿近くの井戸のそ
ばにある桂の木の上に登ります。
そのとき、宮殿から侍女が現れ、井戸の水を汲もうとします。
そして、井戸の水面に人影が映っているのに気づきます。
ここで、山幸彦は水を所望し、しかし、水は飲まずに首飾りを口に含んで、器
の吐きいれます。
その玉をとろうとするも器にくっついてとれなかったので、そのままの状態で
水の入った器を侍女はトヨタマビメに渡します。
そこで、宮殿の外に人がいることを知ったトヨタマビメは、さっそくその神に
会いに行き一目ぼれしてしまいます。
その後話はトントン拍子で進み、海の神にも会え、宮殿にて歓迎され、娘のト
ヨタマビメを嫁にと言われ、山幸彦も承諾します。
そして、この海の国に三年間住むことになります。
次回は、そもそも海の国に来た原因の釣針の行方が分かります。
次回、「海幸彦の服従」をお楽しみに〜
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