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日本の原典〜古事記物語〜 第30号 2003年12月22日発行
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<第30話 山幸彦と海幸彦>
「兄さん! お願いがあるんだ!」
「なんだい、山幸彦」
「兄さんの釣り針と僕の弓矢を交換して欲しいんだ」
「それはダメだよ」
「お願いだよ、兄さん」
「ダメだ!」
「僕も兄さんのように魚を釣ってみたいんだ」
「ダメだったらダ・メ・だ!」
「そこを何とか…、兄さん」
「…分かったよ。仕方ない奴だな」
「ありがとう、兄さん! 大事に使うよ」
……………………………
「う〜ん、全然釣れないなぁ」
ムリに兄に頼んで釣り針を借りた山幸彦。
しかし、すでに5時間がたとうとするのにまだ一匹も釣れなかった。
「ふぁぁ〜、もう帰ろうか…、おっ!」
見ると、竿が引っ張られている!
「よぉ〜し!」
竿を握る山幸彦。
「ぬぬぬぬ」
…プチッ!
「あっ!」
(…ど、どうしよう!?)
………………………………
「山幸彦、やはり使い慣れた自分の道具じゃないと獲物は取れないな」
「う、うん、そうだね」
「ほら、お前の弓矢だ、返したぞ。だから、私の釣り針を返しておくれ」
「う、ううん」
「どうしたんだい」
「じ、実は…兄さんの大事な釣り針を海になくしちゃったんだ」
「な、なんだと!」
「ご、ごめんなさい!」
「謝ってすむことじゃないだろう、私の大事な釣り針をどうしてくれるんだ!」
「こ、これで許してください!」
「ふん、こんなお前が作った釣り針が500あろうが、1000あろうが意味はな
い」
「じゃぁ、どうすれば…」
「元の釣り針を返すんだ!」
<参考文献>
岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
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*このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。
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【次号予告クイズ】
Q30.海の神の宮殿に向かった山幸彦。そこで彼は海の神の娘に会うためにど
こに身を隠した?
1.井戸のそばの桂の木の上
2.井戸のそばの桂の木の下
3.井戸の中
答えは、次号を読めば分かります。
次号「海の神の宮への訪問」をお楽しみ〜