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 日本の原典〜古事記物語〜 第7号
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 <第7話 スサノオの号泣>
 
 「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」

 スサノオは泣き続けた。

 「一体、どうしたのだ?」

 「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」

 「泣いてばかりいても分からないではないか。お前はどうして、私が命じた国
  に行きもせず、こうして泣き続けているのだ」

 「うぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」

 「ええーい、騒がしい。一体どうしたというのだ! 訳を話さぬかっ!」

 イザナキの怒りの声がようやく耳に入ったのか、スサノオは父の問いに答えた。

 「…お母さん」

 「何? 今なんと申した?」

 「お母さんに会いたい…」

 「何? 何を申すか。お前を産んだのはこの私だぞ。」

 「いいえ、私の母はイザナミです。お母さんに会いたい! 私はお母さんに会
  いに、黄泉の国(根の国)に行きたい!」

 「ならん。黄泉の国はケガレた国だ。決して訪ねてはならん!」

 「そうおっしゃると思っておりました。お父さんに反対されると思い、私は泣
  いていたのです。でも、我慢できません。お願いです、お母さんに会わせて
  ください!」

 「ならんと言ったら、ならん!」

 「お父さん、お願いです。行かせてください!!」

 「ダメだ。どうしても行くと言うのならば、この国から出て行くのだ。そして、
  二度と戻ってきてはならない。それでも行くのというのか?」

 「それでも、どうしてもお母さんに会いに行きたいのです!」
 
 「分かった、だったら行くがいい。この国から出て行け! そして、二度と帰
  ってくるな!」

 「お父さん、ごめんなさい…」

 「……(息子よ、お前はなんと心根の優しい子だろうか)」

 スサノオが母に会いに、根の国に向かう姿を優しいまなざしで見送ったイザナ
 キは一人、近江の国、多賀の地に座り込んだ。

 「ふぅ、私はもう疲れてしまった。スサノオのことは心配だが、高天の原には
  アマテラスが、夜の世界にはツクヨミがいる。私の役目は終わったようだ。
  我が妻、イザナミよ。今から私もそちらに参るぞ。」

 イザナキを祭った多賀大社は滋賀県は犬上郡多賀町多賀にある。
 「多賀大社」
 http://www.tagataisya.or.jp/

 <参考文献>
 岩波書店:古事記(倉野憲司校注) 
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 【キリのコメント7】

 *このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
  お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。

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 【次号予告クイズ】
 Q7.父、イザナキに追放されたスサノオは、姉、アマテラスの元に行きます。
    それはなんのため?
 1.アマテラスの治める高天の原を奪い取るため
 2.母のいる根の国へ行くことを伝えるため
 3.父に追放されてさびしくなったので、ただ姉に会いたかったため 

 第8話<スサノオとアマテラス対面>

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