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戦国の風雲児〜織田信長一代記〜 第14号 2003年12月11日発行
「第14話 安房守殺害」
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守山城内。
「孫平次、おぬしはうい奴だの」
「安房守様こそまさに名君です」
「ふふふ、そう思うか?」
坂井、角田両家老の思惑で城主になった安房守。
しかし、彼は、坂井喜左衛門の子息、孫平次を若衆(男色の相手)にし、彼だ
けを優遇し、出世させた。
「安房守様は、坂井だけを優遇し、わしを冷遇されている。このままでは、い
くらわしが忠節を尽くしても、いつかわしをさげすみ、疎んじられるであろ
う…」
悩む角田。
「このままでは無念だ。そうなる前に…」
…………………………………
「安房守様」
「何だ、角田」
「城の塀や柵が大分傷んできておりまする」
「うむ、そうだな」
「そこで、痛んだ塀や柵をかけなおしたいのですが…」
「そうか、角田に任せる」
「かしこまりました」
平伏しながらにやりと笑う角田に気づかない安房守。
…………………………………
「急げ! 城内に気づかれないようにするのだ!」
「はっ!」
「全員そろったか。いいか、狙うは安房守の首のみ!」
「おぅ!」
普請半ばの塀の崩れた箇所から、兵を引き入れた角田。
「安房守様! 城内に兵が侵入しております!」
「何! どこの兵だ!」
「分かりません。早くお逃げくださいませ。ぐわっ」
「孫平次!」
「ここにおったか、安房守」
「お前は角田! 狂ったか!」
「お前はわしのお陰で城主になったのに、一人坂井のみを優遇しおって!」
「ま、待て! 命だけは見逃してくれ!」
「ふん、もう手遅れだ。腹を召してもらおう」
「ぎゃっ!」
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「お館様! 守山の城で謀反が起きました!」
「何?」
「家老の角田が裏切り、安房守様は腹を召されました!」
「そうか」
「さらに、角田は丹羽源六を味方にし、城内を固めておりまする」
「ふむ、それならば…」
「いかがいたします」
「確か、孫十郎叔父が浪人中だったな」
「はい、喜六郎殿の件以来、放浪されていると思います」
「よし、すぐに叔父を探してくるのだ」
「といいますと…」
「もともと喜六郎の件では孫十郎叔父だけが悪いのではない。もうそろそろ許
してやってもいいだろう。叔父が気の毒だ」
「ということは」
「あぁ、守山の城を奪い返したら、孫十郎叔父を城主に戻そうと思う」
「それでは、さっそく孫十郎様を探して参ります!」
「うむ、頼んだぞ」
<参考文献>
ニュートンプレス:信長公記(太田牛一:原著 榊原潤:訳)
角川ソフィア文庫:信長公記(奥野高広、岩沢愿彦 校注)
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*このページは信長公記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
お時間に余裕がございましたら、ご覧ください。
+++++++++++++(編集後記)++++++++++++++++
皆さん、こんにちは。
キリです。
重ねてすみません。
話としてはあまりおもしろいものではなかったかもしれません。
でも、書いている分にはおもしろかったです。
…それでいいのかという問題は残りますが(^^;
次号はいよいよ信長青年期クライマックスの一つ。
弟信行の謀反です。
血をわけた兄弟の争い。
まさに骨肉相食む戦国時代の悲哀ですね。
信長が吼えるイキイキとした合戦シーンを上手に描ければと思っています。
お楽しみに〜