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日本の原典〜古事記物語〜 第18号 2003年9月29日発行
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目次
★古事記物語「第18話 スクナビコナと国づくり」
★【キリのコメント】
★【次号の予告クイズ】
★【編集後記】
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<第18話 スクナビコナと国づくり>
ザッパーーン
「オオクニヌシになったはいいが、私はこれからどうやってこの国を作ればい
いのだろうか…」
出雲の国(島根県)美保の岬でこれからの国作りに思いを馳せ、思案にくれて
いたオオクニヌシ。
兄弟神をやっつけて、この国(アシハラナカツクニ:葦原中国)を統べるよう
になったのはいいが、一人で治める自信がまだないオオクニヌシは悩んでいた。
「う〜ん、どうすれば…」
悩むオオクニヌシ。
「う〜ん…、うん?」
ふと目をあげたときに、海から何かが近づいてくるのが目に入った。
「あれはなんだ?」
よーく見ると、ガの皮を丸はぎにはいだ衣服を着た神が、ガガイモの実の小船
に乗って近づいてきた。
「あなたはどなたですか?」
「……」
その神に名を尋ねるオオクニヌシ。
しかし、その神は答えない。
「お前たちは知っているか?」
「…存じません」
周りに従う神々に尋ねても誰もその神の名を知らなかった。
「…もしかしたら?」
「どうしたガマガエルよ。お前は何かを知っているのか?」
「クエビコ(崩彦)なら何か知っているかもしれません」
「クエビコか。そうだな彼なら知っているに違いない。よし、すぐにクエビコ
を呼んできてくれ」
「はい、かしこまりました」
すぐに呼ばれたクエビコ。
彼は足は歩けないが、天下のことをことごとく知っている。
クエビコは古名で、現代の名はカカシ(案山子)である。
「さて、クエビコよ。そこにおわす神はどなたか知っているか?」
「はい、存知あげております。あの方は、カミムスヒノカミのお子様で、スク
ナビコナノカミ(少名昆古那神)です」
「それは本当か。それでは、さっそくお父君のカミムスヒノカミにお尋ねして
くるのだ」
………………………………
「確かにこの子は私の子だ。私の手の指の間から、もれこぼれた子に違いない」
そういって我が子スクナビコナに対して、
「我が子よ、お前はアシハラシコオ(オオクニヌシの別名)と兄弟になって、
協力してこの国をつくりあげるのだ」
と命じた。
こうして二人の神は協力して国つくりを始めたが、ある程度国ができあがった
ときに、スクナビコナはトコヨクニ(常世国)に渡っていってしまった。
「スクナビコナよ、どうしてお前は行ってしまったのだ…」
再び一人で国つくりをしなくてはならなくなったオオクニヌシは、不安になる。
「私はこれから一人でどのように国を作り固めればいいのだ…。どの神か私と
一緒に国つくりをしてくれないものか」
そんなとき…
ピカーーーーーーーーーーー
「うっ、ま、まぶしい」
突然、海を照らしながら近づいてくる神がいた。
「私を丁重に祭ったならば、私はあなたに協力して国つくりをするであろう。
もし、そうしなければ、国作りはできないであろう」
「それでは、あなたをお祭りするには、どのようにすればよろしいのでしょう
か?」
「私を大和の国(奈良県)の、周囲を青垣のようにめぐっている山の東の山上
に祭るのだ」
「分かりました。さっそくお祭りいたします。どうぞお力をお貸しください」
この神は奈良県磯城郡三輪山の大神神社に祭られている神である。
「大神神社」
<参考文献>
岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
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*このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。
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【次号予告クイズ】
Q18.アシハラナカツクニを平定するように命じられたアメノホヒノカミは、
アシハラナカツクニへ行ってもいつまでたっても連絡がありませんでし
た。
さて、アマテラスはどのくらいの期間、返事をまったでしょう?
1.3週間
2.3ヶ月
3.3年
答えは、次号を読めば分かります。
次号「アメノホヒカミとアメノワカヒコ」をお楽しみ〜