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日本の原典〜古事記物語〜 第19号 2003年10月6日発行
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目次
★古事記物語「第19話 アメノホヒノカミとアメノワカヒコ」
★【キリのコメント】
★【次号の予告クイズ】
★【編集後記】
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<第19話 アメノホヒノカミとアメノワカヒコ>
「オオクニヌシがいるあの国は、私の子が治めるべき国です」
とアマテラスは宣言した。
「さぁ、我が子よ、今から行ってあの国を治めるのです」
「はい、かしこまりました」
母、アマテラスから命じられた息子のアメノオシホミミ(天忍穂耳)はさっそ
くオオクニヌシが治めている国(葦原中国)へ向かおうと、天の浮橋を渡った。
「おや?」
浮橋から下をのぞきこむと、なにやら下界が騒がしい様子。
「これは一度、母に相談せねば…」
息子、アメノオシホミミから下界が騒がしいという報告を受け、タカミムスヒ
ノカミとアマテラスは天の安の川の川原に、ヤオヨロズ(八百万)の神々を集
め、オモヒカネノカミの意見を聞いてみた。
「オモヒカネノカミよ、葦原中国は我が御子が治めるべき国ですが、暴威を振
るう乱暴な神々が大勢いるようです。そこで、どの神を遣わしてあの国を平
定すればいいでしょうか」
「分かりました。さっそくヤオヨロズの神々と相談してみましょう」
…………………………
「葦原中国にはアメノホヒノカミ(天菩比神)をお遣わしになるといいでしょ
う」
ヤオヨロズの神々と相談した結果をアマテラスに伝える、オモヒカネノカミ。
「それでは、アメノホヒノカミよ、我が御子のために、葦原中国を平定するよ
うに」
「かしこまりました」
…しかし、アメノホヒノカミはオオクニヌシに媚びへつらい、3年たっても復
命しなかった。
…………………………
「アメノホヒノカミを遣わして久しいのに、彼からは何の連絡もありません。
今度はどの神を遣わしたらよいでしょう」
タカミムスヒノカミとアマテラスは、もろもろの神に相談した。
「アメノワカヒコ(天若日子)を遣わしたらいいでしょう」
今度もオモヒカネノカミが答えた。
「アメノワカヒコ、そなたにこのアメノマカコユミ(天之麻迦古弓)とアメノ
ハハヤ(天之波波矢)を授けます。これで葦原中国を平定しなさい」
「ははっ、さっそく平定に行って参ります」
「頼みましたよ」
…………………………
葦原中国にたどり着いたアメノワカヒコはさっそくオオクニヌシに会いにいっ
た。
「お前がオオクニヌシか。私はアメノワカヒコ、アマテラス様の命でこの国を
平定に来た!」
「そ、それはようこそお出でになられました。長旅でお疲れでしょう。すぐに
食事の用意をいたしますので、まずはこちらの部屋で旅の疲れをお取りくだ
さい」
「そうか、それは悪いな」
そういって、隣の部屋に通したオオクニヌシは、自分の娘、シタテルヒメ(下
照比賣)に食事の準備をさせた。
シタテルヒメの美しさにみとれているアメノワカヒコにオオクニヌシが耳打ち
をした。
「どうです? 私の娘を嫁にもらってくださいませんか。そして、私の跡継ぎ
になってこの国を支配しませんか?」
(それは悪い話ではないな…)
こうして、オオクニヌシの娘を嫁にもらったアメノワカヒコは、この国を手に
入れる野望を抱き、8年たっても復命しなかった。
<参考文献>
岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
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*このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。
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【次号予告クイズ】
Q19.8年たっても復命しないアメノワカヒコに対して、その理由を問いただ
す使いを出すことにしたアマテラス。さて、その使いを務めた動物は?
1. キジ
2. サル
3. イヌ
答えは、次号を読めば分かります。
それでは、次号「返り矢」をお楽しみ〜