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 日本の原典〜古事記物語〜 第20号 2003年10月13日発行
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 目次
 ★古事記物語「第20話 返し矢」
 ★【キリのコメント】
 ★【次号の予告クイズ】
 ★【編集後記】
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 <第20話 返し矢>
 
 「アメノワカヒコもまだ戻ってこない…。またいずれの神を遣わして、なぜ、
  アメノワカヒコが戻ってこないのか、そのわけを問いただしてみましょう」

 アマテラスとタカミムスノカミはそうもろもろの神々に話した。

 「キザシ(雉)、名をナキメ(鳴女)というものを遣わしましょう」

 今度もオモヒカネノカミが答えた。

 「お前は、下界に降りて、アメノワカヒコにこのように尋ねるのだ。
  『お前を葦原中国に遣わしたのは、その国の荒ぶる神たちを平定するように
   ということだったはずだ。どうして8年もたっても何の連絡もよこさない
   のだ』と」

 こうして、ナキメは天より降りてきて、アメノワカヒコの家の門前の桂の木の
 上にとまって、さきほどオモヒカネノカミにいわれたことをそのまま伝えた。

 このナキメの言葉を聞いたアメノサグメ(天佐具賣)は、アメノワカヒコに

 「この鳥の鳴き声はとても不吉です。だから、射殺してしまいなさい」

 と伝えた。

 キリリリ…  

 ヒュッ!

 こうして、アメノワカヒコはアマテラスに授かったアメノハジユミ(天之波士
 弓)とアメノカクヤ(天之加久矢)で、ナキメを射殺してしまった。

 グサッ!

 ヒュルルルルルル…

 ガシッ!

 アメノワカヒコが放った矢は、勢いよくナキメの胸を突き通し、そのままさか
 さまに射上げられて、天の安の河の河原にいたアマテラスとタカギノカミ(高
 木神)のそばまで届いた。
 タカギノカミは、タカミムスヒノカミの別名である。

 「この矢は…」

 タカギノカミがその矢を手にとって見ると、矢の羽に血がついていた。

 「うーむ、アメノワカヒコに授けた矢ではないか」

 そういってその矢をヤオヨロズの神々に見せるタカギノカミ。

 「もし、これがアメノワカヒコが、命令を守って悪い神を撃つために放った矢
  ならば、アメノワカヒコにあたるな! しかし、もし、アメノワカヒコがき
  たなき心を持ってこの矢を放ったならば、この矢にあたって死ね!」

 ピューーーーーーーーーー

 タカギノカミは、その矢を取って、この矢が来た穴より投げ返した。

 グサッ!!

 ……………………………

 「うう〜ん、ふぁ〜、あなた、おはよう…!? キャー、あなたぁー」

 妻のシタテルヒメが隣で寝ていた夫を見ると、その胸に矢が刺さっており、夫
 は死んでいた。

 <参考文献>
 岩波書店:古事記(倉野憲司校注)
 講談社学術文庫:古事記(上)全訳注(次田真幸)
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 【キリのコメント20】

 *このページは古事記との違いや、さらに詳細な説明が書かれています。
  お時間に余裕がございましたら、ご覧くださいませ。 

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 【次号予告クイズ】
 Q20.アメノワカヒコの葬儀の際に、見舞いに来たアヂシキタカヒコネノカミ
    は怒って帰ってしまいます。
    それはなぜでしょう?
 1.アメノワカヒコの両親が、アヂシキタカヒコネを息子、アメノワカヒコと
   勘違いし、息子は生きていた! と抱きついてきたから
 2.息子の葬儀は身内だけでやるからと、アヂシキタカヒコネを追い返したか 
   ら
 3.親友だから葬儀には来たが、アメノワカヒコがアマテラスの命に逆らった
   ことを知って腹ただしくなったから

 答えは、次号を読めば分かります。
 次号「スクナビコナと国づくり」をお楽しみ〜

 第21話<アメノワカヒコの葬儀へ>

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