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ベトナム料理の勧め




はじめに

 はじめてベトナムに来てから半年の間は、おなかを下してばかりいました。もともと胃腸の丈夫な体質ではなかったからです。正露丸は私の重要なパートナーでした。水が合わなかったこと、油が合わなかったこと、暑いので良くかまずに水で流し込んでいたこと、等が原因でした。初めてベトナムに旅行される場合はなるべく立派なレストランで外国人向けの料理を食べることをお勧めします。せっかくの旅行を腹痛を我慢することに費やすのはつまらないからです。


ヌォックマムについて

 初めてベトナム料理を口にしたのはいつだったか良くは覚えていないのだけれど、確か「春巻き」だったような気がします。ベトナムの揚げ春巻きはサラダ菜で巻いてヌォックマムにつけて食べます。ヌォックマムはたいていガーリックや唐辛子、たまねぎのみじん切りなどを入れて小皿に取り分けて使われます。ヌォックマムは東南アジアでは身近に使われているソースで、タイなどではナンプラーと呼ばれ、フィリッピンではパティス、ラオスではナムパー、カンボジアではトゥックトレーなどの名前で呼ばれて親しまれています。また日本でも秋田のしょっつるがヌォックマムと同じ種類のソースです。
 ヌォックマムは海で採れた小魚を加工して作ります。小魚を樽に入れて、小魚3に対して塩を1入れて数年間漬け込み、樽の下から流れ出てきた液体を、何度か樽に戻して、液体の色がきれいな薄黄色になったら出来上がります。ベトナムでは、フーコック島産とファンティット産のものが上質とされています。また、海老でつくったものをマムトムと呼んでいます。これはちょっと独特のにおいがあります。
 私にとってのベトナム料理は初めは取っつきづらいものでしたが、しかしなれてしまうと不思議なことに今では魚料理には必ずヌォックマムに赤とうがらしを入れたものをつけて食べないと満足できなくなってしまいました。ヌォックマムの臭いはベトナムの磯の香り、そして生活の臭いがします。 


■ベトナムの米について

 ベトナムは米の輸出量が世界で2番目の国だそうです。いつだったか日本で米不足の折りタイの細長い米を食べて、その堅さと味けのなさに寂しさを感じたことがありました。ベトナムの米も同様に細長くて独特の臭いがしますが、取れたての米を炊いたご飯は味わい深いものがあります。南部の米の産地キエンザン省で食べたご飯は日本のおいしいお米に決してひけをとる物ではありませんでした。取れたての新米のにおいがぷんとして独特の歯ごたえがあり、ご飯だけでおかわりが出来るほどです。しかし残念なことにベトナム米は炊いてから時間をおくと堅くなりすぎて食べずらくなります。そんなとき私はカレーライスにするのですが、カレーのルーと堅いご飯がうまく絡まっていっそう美味しく食べられるのです。こんなに美味しいお米がベトナムでは1キロ40〜90円で手にいれられます。


■ベトナム料理 その1
     Banh Xeo(バインセオ)
 ベトナムに長期で滞在しているある人と話をしているときに、バインセオの話がでました。バインセオはベトナム式お好み焼きのようなものです。トウモロコシの粉を水でといた生地にモヤシや小エビをのせて油で揚げて作ります。見た目がお好み焼きなのでどうしても我々はお好み焼き風に食べてしまいがちですが、そうなると堅いばかりで味気のない食べ物になってしまいます。どうやら彼も同様のことを感じていたようでした。バインセオを注文すると一緒に山盛りの野菜が一緒に出てきます。サラダ菜にミントなどの香りのする葉っぱを入れてバインセオと一緒に巻いて、唐辛子のきいたヌォックマムにつけて食べるとビールのつまみに最適の美味しい料理に早変わりするのです。ちなみに私の推薦する美味しい店はハイバーチュン通りにある「クアン46A」です。すこし汚い店ですが日本人も結構来ています。

 日本人に人気のあるのはフォーという米でつっくた麺のベトナム風うどんです。最近ではベンタイン市場の隣にできた「フォー2000」という店に人気があります。このフォーというのはたいてい自分の家で作るのではなく、フォーの専門の屋台で食べられています。その理由は、スープにあります。フォーのスープは牛の骨やいくつかの香采を使って作られるのですが、長時間煮込んだものでなくては本格的なフォーの味が出ないからです。甘味を出すために大根を一緒に煮込んだりします。この大根は美味しいと私は思うのですが、ベトナム人はこの大根をあまり食べないようです。出来上がったスープに麺を入れて、もやしと、牛肉の薄切りか鶏肉を入れて食べます。スープにライムをかけて食べたりもします。ベトナム人の朝食の定番です。

 南部の料理でウナギのスープというのがあるのですが、真ん中に穴のあいたタイのトムヤンクンと同じ鍋を使ってウナギを一匹まるごとつっこみます。(カインチュアという名の料理です)そこに唐辛子とお酢を入れます。香料の葉っぱを入れ、キュウリとパイナップルを一緒に入れて煮るのですが、初めて食べたときは少し複雑な気分になりました。一つ一つの素材を日本で食べればそれなりに美味しくいただける物ですが、出来上がったときの味は辛くて、すっぱくてこのような物を口にして良いのだろうかと良心の呵責を感じてしまうほどの味なのですが、慣れると暑さに良く効く味付だとわかって、癖になってしまうところがベトナム料理の不思議なところです。
 ■ベトナム料理 その2
  

おそらく日本人にとって一番取っつきやすいのはフエ料理ではないだろうかと思います。フエで有名なものにブン・ボ・フエというすっぱ辛いうどんがありますが、これは特別としても、チャートムという有名なエビのつくねをサトウキビに巻いたものや、山芋で作った四角いお餅、またバイン・ベオという小皿に柔らかいお餅を乗せてその上に堅いクルトンをふりかけてヌォックマムで食べるというのがあります。一つ一つがお酒のつまみのようにしてお皿に盛られて出てきますし、日本人の好みにずいぶんと近い料理ではないかと思います。味付けは他のベトナム料理のようには脂っこくなくて上品になっていますから、ヌォックマムが苦手な人は醤油をつけて食べればビールのつまみとして楽しむことが出来ます。
実はお勧めする店があったのですが、半年ぶりにベトナムへ帰ってきて3日前に行ったところ既につぶれて無くなっていました。空港の横の知る人ぞ知る店だったのですが、日本と違って知らない人でも知っている店でないとここでは生き残れないようです。しかし今では5〜6軒の有名なフエ料理の店がオープンしていますので、是非一度挑戦してみて下さい。

 また、ハノイでは特に有名なチャ・カという雷魚の切り身と野菜を揚げた料理があります。ハノイではチャ・カ通りにあるチャ・カという店が圧倒的な支持を受けています。この料理は洋の東西に関係なく日本人や西洋人にも人気があって、平日の夕方はそういうグループで店が混雑します。この料理のポイントは雷魚から取っただし汁でこれが美味しく出来上がっていないと人生の半分も損をした気分になります。是非ハノイ人の知り合いを作って、美味しい店を探し当てて下さい。 




■ベトナム料理 番外編

 ベトナムの田舎では電気が通じていない場所がかなりの割であります。以前、そんなところにあるレストランで、薄暗い中食事をごちそうになりました。タイガービールで乾杯をした後、つまみとしてゆで卵が登場しました。出席した村の偉い役人たちが次々と卵を割ってビールと共に食べ始めたので、私も殻を割って口を付けようとした時に卵の中からひよこの顔がのぞいているのに気がつきました。真っ暗だったので、良くわからず、ゆで卵だと思っていたのでした。これがあのひよこ入りのゆで卵「ホ・ビ・ロ」との感動的な出会いでした。食べてみるとはじめは少し気味が悪いですが、普通の焼き鳥の味で結構おいしいものでした。興味のある方は、ぜひトライしてみてください。

 南部の町のアン・ジャン省は米の収穫の多いところとして有名ですが、その米を食べるねずみが美味しい所としても有名です。近所にあるレストランで時々「アン・ジャン省ネズミ入荷」の張り紙が出ているので、時々寄ってみるのですが、残念なことにいつも売り切れで、未だに口にすることが出来ません。

 ベトナムうどんのフォーは安くてもっともポピュラーな庶民の食べ物として知られていますが、もう一つコム・ガーというのがあります。直訳すると鶏ライスとなります。ローストチキンまたはボイルドチキンをお皿に盛って、バターライスと一緒に食べます。日本のラーメンやさんと同じくらいの密度でサイゴンの町にコム・ガーの看板が出ているのです。日本人の方にその美味しさがあまり知られていないのが寂しくて、ここで紹介しました。


■ベトナムのお茶

 ベトナム人の家やオフィスを訪ねると、たいていベトナムのお茶が出されます。そのシブ苦い味によく閉口させられました。外国人には少し見栄を張って石で作られた茶器を使って入れてくれるのですがその見事さに釣られて一息に飲み干すと、あとが大変です。茶碗は赤ん坊の手のひらくらいのサイズしかないのですが、その苦さと渋さは筆舌に尽くしがたい物があります。
 ベトナムのお茶の産地はダラット近郊のバオロックが有名です。お茶畑を見ていると日本のそれとよく似ていることに気がつきます。そして実は同じ場所で日本茶を栽培しているのです。私はまだそこで作られた日本茶を試したことはありませんが、日本へ輸出されていてなかなか好評との話でした。
さてベトナム茶の話ですが、グラスの中に氷を詰め込んでそこにお茶を入れて飲むチャダーというアイスティーがあります。食事の時には欠かせない飲み物ですが、これはあまり苦くないので安心して飲むことが出来ます。
また、ベトナムはコーヒーの輸出国としても知られています。そのためにホーチミン市内のどこの道ばたにもカフェがあります。よく観光に来た若い女性のグループがドンコイ通りあたりで、「疲れた〜喫茶店はどこ?」などと言っている光景を目にしますが目の前に幾らでもあります。どうも我々日本人にとっては道ばたのカフェはカフェでないと思ってしまうようです。しかしそこで飲むコーヒーは苦みが強すぎて我々には美味しくないのも事実です。コーヒーカップの上に直接ドリップの装置を乗せてコーヒーを入れるのですが、エスプレッソの倍ぐらいの濃さです。そのために、私はいつもカフェ・ダーというアイスコーヒーを注文するようにしています。アイスコーヒーなら苦くなく、暑い中を歩き回って乾いたのどにちょうど良いからです。
西洋風の喫茶店はドンコイ通りに二つだけあります。スパーゴと、モンタナです。そこでは美味しいコーヒーを出してくれます。美味しいコーヒー豆はほとんど輸出用に出してしまうので、街に出回るのは一ランク下のものになってしまい美味しくないことが多いです。しかしコーヒーの産地ダラットに行くと深い香りのついた美味しいコーヒを飲むことができます。→ベトナムコーヒーの飲み方
 その他に、健康に良いとされるアティソ(英語ではアーティーチョーク)というお茶があります。初めこれは薬と聞いていたのでしばらくの間試さなかったのですが、少し甘い感じがするだけで立派なお茶なのです。甘いお菓子と共に飲むと非常に良く、値段もベトナム人が驚くくらいに安いので、日本へのお土産にお勧めいたします。(ティーバッグが良いでしょう)。肝臓と腎臓の調子を良くするそうです。


■ベトナムの果物

 ベトナムへ来たら何をさておいても南国特有のフルーツを食べないことには話しが始まりません。その昔ベトナムが中国の皇帝に毎年に貢物をささげていた時にも、南国のフルーツは大事な貢物でした。
 ベトナムのフルーツのうち飛び切りのものといえば、マンゴーではないかと思います。今では日本でも海外産のマンゴーを手に入れることができるようになりましたが、とにかく甘さと大きさがベトナム産のほうが数倍勝っているのです。そんな果物をベトナムにきて食べないで帰国したら、フランスへ出かけてワインを飲まずに帰国するくらいのもったいなさではないかと思われます。
 その他に私の好きなフルーツは竜眼やマンゴスチン、タンロン、パパイヤなど、数え上げれば切りがありません。ミニバナナもとてもとても甘くて大好きです。ただひとつだけ、ドリアンだけは嫌いです。嫌いというよりも敵や仇に匹敵するほど、においがひどくてとても口にすることはできません。(ドリアン大好きな人ごめんなさい)

  フルーツの旬(あくまでも目安です)
マンゴー:1〜6月、マンゴスチン:4〜10月、ランプータン:5〜10月、タンロン:4〜11月、竜眼:5=10月、ジャックフルーツ:3〜6月、ミニバナナ:年中、スイカ:年中




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